2009年1月21日水曜日
リサイクルするな?!
最近テレビに良く出て「リサイクルするな!」と叫んでいる武田先生の本を読みました。元々、僕もリサイクル=無駄、エコ=エゴという考えだし、エコエコ、ヘコヘコしている人はうさんくさいと思っているたちなので特に論点の違和感とかは無かったです。理系の人は納得度高いんじゃないかな。
一言感想だと、「よく言葉にしてくれた!まさに正論」という感じ。
要点は、モノをなんとかリサイクルのループにのせることが善行という視点が強すぎて、モノをリサイクル際に関わるコストについての視点が欠如しており、本当は環境にやさしくないリサイクル活動が横行している。だからちゃんとそのロジックを考えようよというもの。
リサイクル=高コストっていうは、例えば飲料用ペットボトルのプラスチックをリサイクルでまた同じ品質のペットボトルにすることは出来ない(出来たとしても高コストになり経済合理性がない)ので、低品質でも利用可能な繊維に加工したりする。つまり、物質のエントロピー状態(利用可能性)が高い状態から低い状態への移行は避けられないので、リサイクルしたとしても、手前の状態よりエントロピー状態は低くなる。
とした時に、本当にリサイクルするの?というのが著者の提言。
みんながみんな、ペットボトルはペットボトルにというバイアスがかかっているから、例えばそのエントロピー状態を熱エネルギーに変換しようということが思いつかない。
むしろ、ペットボトルを燃やすのはタブーみたいになっていて、利用可能性の高い石油をたくさん燃やして、リサイクルコストの高いペットボトルをリサイクルする。この構図がいがんでいるの自明ですよね。
3Rと言われて、リサイクルしか思いつかない人は、恥をかかない為に読んでみてはどうでしょうか?知っていて損はないと思います。
>> リサイクル幻想 (文春新書)
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