最近読書してないので本を読んだ。
読んだ本は、菅野仁の「友だち幻想 〜人と人の<つながり>を考える〜」ちくまプリマー新書の本。
アマゾンでふらふらしていて目に留まった本。ちくまプリマー新書は、高校生対象なのか文字が大きくて文章がシンプルなので読みやすい。
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○目次○
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はじめに ー「友人重視指向」の日本の高校生
第1章 人は一人では生きられない?
★一人でも生きて行ける社会だからこそ<つながり>が難しい
★「親しさを求める作法」が、昔とは違う
第2章 幸せも苦しみも他者がもたらす
★二種類の人と人のつながり
・人は一人でも生きて行けるが、一人だけではなんとなくむなしい
★「自己充実」 幸福のモメントその一
★「他者との交流」 幸福のモメントその二
①交流そのものの喜び
②他者から承認される喜び
・他者=自分以外の全ての人間
・「見知らぬ他者」と「身近な他者」
★他者の二重性
①「脅威の源泉」としての他者
②「生のあじわいの源泉」としての他者
・人は他者の二重性に振り回される
第3章 共同性の幻想 ーなぜ「友だち」のことで悩みは尽きないのか
・なぜいない人の悪口を言うのか ースケープゴートの理論ー
・心が休まらない「メール即レス」
・同調圧力 ー友情が脅迫になる
★ネオ共同性 ー現代の新たな圧力
★同質性から併存性へ
・「一年生になったら」 ー「同質的共同性」指向の原点
・昔は「同質性共同性」だけでよかった
★「やりすごす」という発想 ー無理に関わるから傷つけあう
★「ルサンチマン」は誰の心に生じることがある
・適切な距離は人によって違う
第4章 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」
・「ルール関係」と「フィーリング共有関係」に分けて考えよう
・「フィーリング共有関係」だけで考えるといじめはなくならない
・「フィーリング共有関係の」の負の部分
・ルールは「自由のため」にある!
・誰かをいじめると、自分がいじめられるリスクが生まれる
・だから「気に入らない人とも併存する作法」が大切
・ルールは必要最小限にしたほうが、ルール関係は築きやすい
第5章 熱心さゆえの教育幻想
・先生は生徒の記憶にのこらなくてもいい
・「話せばわかる」も幻想
★個性教育よりもまずやるべきこと
第6章 家族との関係と、大人になること
・家族をとらえる二つのキーワード ー「定位家族」と「生殖家族」
・親の「包摂志向」と子どもの「自立志向」がぶつかり合う思春期
◎大人になるということ
◎君たちには無限の可能性もあるが、限界もある
第7章 「傷つきやすい私」と友だち幻想
・目上の人の距離感
★異質な他者との付き合い
・「傷つきやすい私」とのつきあい方
・「友だち幻想」
・恋愛こそ幻想を持ちやすい
第8章 言葉によって自分を作り変える
・関係が深まらない「コミュニケーション阻害語」
①「ムカツク」と「うざい」
②「ていうか」
③「チョー」「カワイイ」「ヤバイ」
④キャラがかぶる、KY(空気読めない/空気読め)
◎言葉を得なければ、世界も自分もとらえられない
・読書は対話能力を鍛える
・苦しさを通して得られるもの
◎楽しくても楽しくない
おわりに ー「友だち幻想」を超えて
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一人でも生きられる時代背景を丁寧に説明した上で、人の間で楽しく生きるためには、自分以外の他者とどのような視点をもって接すれば良いのかがわかりやすい例をもとに非常にシンプルに書かれている。個人的には、組織とか自分とか、好きな人のこととか他者との関わり合いの中で「もやもや」していたものが、この本を読んで言葉が当てはまったような感じがして、読み終わった後とても気持ちが軽くなった。
生きることと働くことはかなり近しいので、就活生も自己分析をしながら読んだら納得感高いだろうなと思う。
気になったキーワードはこんな感じ。
●天職(calling):「これは自分に向いているな」「やっていて楽しいな」と思えることに能力を発揮できていれば自己充実している。天職とは、「これをやるのは君だよ!」と呼ばれた仕事のこと。
●他者との交流には、他者と「時間、空間を共有している交流そのものの喜び」と他者からの「承認」の2つがある。
●他者には、「脅威の源泉」と「生のあじわいの源泉」の2つの性格がある。
●人はルサンチマン(=人間が抱く嫉妬、恨み、反感といった負の感情)に惑わされやすい。「自分は自分、人は人」というものの見方が重要。関係しよう、関係しようとするから話がこんがらがるので、距離を取ってみることでやりすごせることもある。
●大人になるということは、「経済的自立」と「精神的自立」のベースの上に「人間関係の引き受け方の成熟度」が乗かっていること。
●学校では教えない2つのこと。「気の合わない人とも併存しなければならないこと」と「君にはこういう限界があるということ」社会で普通に生きて行くための手段を教えないとGAPが生じてしまう。
●言葉は自分が関わっている世界から「自分」なりの意味をすくいとるための知的ツール。生のあじわいは複雑なので、それを表現する手段を持たないとそれが味わえない。浅い表現手段によって知らず知らずのうちに認識できる範囲がものすごく狭く浅くなってしまう。
●読書は「いま・ここ」にいない著者と直接対話をするようなこと。解釈の方法を得ることに近い。
●楽して得られる楽しさよりも、苦しいことを通して初めて得られる楽しさの方が大きい。予想外のことに生のあじわいを求める。ちょっと苦しいことをしてみるという経験が大事。
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●今日のありがとう●
1、M留さんコーディングありがとう!助かりました!
2、W辺さんメーリングニュースのプランニングありがとう!よろしくです。
3、K高さん、打ち合わせ設定ありがとう!これからがんばりましょー。
4、T君楽しい企画案ありがとう!俺も負けない!
5、Y田君デザイン制作ありがとう!だんだん良くなってる〜!
6、M本さんイベントの企画調整ありがとう!これから企画書詰めます!
7、RHPのみんな、もッと楽しくしよう!一緒にやってくれてありがとう!
8、M利さん、K上さん「建前はイカンですよ!」楽しい対談をありがとう!
9、T君、H君取材に飛び入り参加してくれてありがとう!輪を広げて行きたいね。
10、F田さん、素の意見が聞けてうれしかったです。ありがとう!
11、ライターC葉さん取材ありがとう!初稿楽しみにしてます!
12、H岡さん、飲みの調整ありがとう!来週行きましょう!
13、Kリー、blogにコメントありがとう!
14、Yちゃん、酔っぱらって電話してくれてありがとう笑!
2008年7月17日木曜日
20080716
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