2008年6月19日木曜日

20080617



今日は、08リクナビをやっていた時の上司Mさんが、10リクナビがオープンしたということでご褒美に鮨屋に連れて行ってもらいました。飲みながら上はいろいろ見ていてくれるんだなあ、期待してくれているんだなあとありがたく思いました。

最近、自分の悩みの種の「好き」「無関心」議論についても話ができてよかったです。
また飲みに行けるようにがんばろう笑。てか鮨うますぎ……。

さて、話は変わって、読みたい本リストから斉藤孝×梅田望夫の「私塾のすすめ -ここから創造が生まれる-」という本を読んだ。リードと目次は以下の通り。


レールのない時代である現代をサバイバルするには、一生学びつづけることが必要だ。では、自分の志向性に合った学びの場をどこに見つけていったらいいのか?本書は、志ある若者が集まった幕末維新期の「私塾」を手がかりに、人を育て、伸ばしていくにはどうしたらいいのかを徹底討論する。


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○目次○
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第一章 志向性の共同体

  明治と現代
  ロールモデル思考=あこがれ力
  ロールモデルを消費する
  「自分探し」への違和感
  「けものみち」には直感が大事
  二十年前にもしブログがあれば…
  「志向性の共同体」と創造
  ネットの中で「あこがれのベクトル」を見つける
  「空気」を作るのがリーダーの役目

第二章 「あこがれ」と「習熟」

  機能不全に陥った教育
  上を伸ばすか、全体の底上げをはかるか
  祝祭的な学び体験を重視する
  「あこがれ」と「習熟」
  コンサートツアーかアルバムづくりか
  ブログ執筆と出版
  万単位の人からの喝采体験
  オリジナリティ重視か定着重視か
  ネットは私塾
  全日本国民に対してか十人に対してか

第三章 「ノー」と言われたくない日本人

  「寒中水泳」ではもぐってしまった方が楽
  「組織に与えているもの」と「組織から与えられているもの」
  量をこなすことを恐れない
  打席にどんどんたてばいい
  自分の中に「私淑する人」を作る
  「好きな仕事」でないとサバイバルできない
  メンタル面での自己浄化装置をもっつ
  「心で読む読書」、心の糧になる言葉をもつ

第四章 幸福の条件

  生活が作品
  「いかに生くべきか」を考えることは無駄か?
  大陸的タイムスパン
  やらないことを決める
  優先順位のつけかた
  「ウェブの細道」
  「How are you?」はなぜいつも「Fine」か

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「WEB時代の生き方」を論じてきている梅田望夫と「型」という概念から教育に携わっている斉藤孝が、これからの学び方とは?というテーマについて対談形式で論じる。明治維新の時にも似た、時代の大きな変化がやってきている。どう生きるべきかという悩みがはびこる現代社会の中で、自分探しを否定し、自分が好きなものを探しあてる直感(志向性)こそが本質であることを指摘する。


さらに視点を個人から社会に移し、社会の中で、個人が好きなことを好きと感じられる場所、直感を感じられる場所としての私塾(志向性の共同体、学びの場)の必要性を説いている。二人の年齢が一緒でかつ、バックグラウンドが全く違うにもかかわらず議論が、最終章の「How are you?」はなぜいつも「Fine」かという、上機嫌、人の存在が提供できる幸福感という一点に収束してく感じが好感が持てた。


気になった箇所は下記。


●ロールモデルを消費する

消費という概念であるということが面白かった。一般的にはロールモデルは目的になりがちだがあくまで消費。その人が対象に対してどう学んだのかということをポイントにする。何からエネルギーを得るのかを見つけたり、その兆し見つけて挑戦していく力を養うこと。ロールモデルはあこがれられればOK。


●上を伸ばすか、全体を伸ばすか

梅田が前者、斉藤が後者。梅田は、やる気があって目を輝かせている人がどんどん伸びていく状態が良いと主張。一方斉藤は、誰でもちょっとやって伸びたことがわかる「型」を教育に導入することによって、全体を伸ばすことも可能であると主張。好きになった時、それを突き詰められたり、その種類が増やせる環境をつくることも大事だし、より各自が一歩踏み出すやすいようになる仕掛けをたくさんつくることも差異なく大事で、カスケード的に要素を配置するのがいいのだろうなと思った。それが私塾的教育なのかも。


●「心で読む読書」、心の糧になる言葉を持つ。

斉藤の「本を読んでいて、なぜ今ここにこの言葉があるのだろう」、「自分のために書かれたような言葉」というくだりが共感できた。確かに自分も本が好きで好きでたまらないというよりは、その時気になったものを読む中で、なんとなく自分が思っていたこととかを本を読む、文字を追う偶然の出会いの中で具体化している気がする。 


●生活が作品

生活が作品=時間をどう使うか。ビジョン、アイデア、スタイル。アイデアを生み出していって、ビジョンを実現するときに何らかのスタイルがあるとそこに美意識が生じる。それが●●らしさにつながる。



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というわけで僕も(話しているのは編集長たちですが…)リクナビで私塾とまではいかないですけど、一歩が踏み出せなくて、ものすごく損している子たちに、自由に遊べる場というか、「就職」ではなく、「働く」っていうことをもう一回自分の生き方に投影して考えていこうよみたいな感じのゆるーいコンテンツを作ってみました。

隔週更新なので、いろんな人をゲストに呼んだり、学生が遊びに来たり、サロンみたいになったらおもしろいなあと思っています。

リクナビ2010 「建前はイカンですよ!」